
その証拠に、キョウリュウジャーは書いていて本当に楽しかった。
その作品性がとても共感出来る物であり、どの曲も「ギンガマン」の時よりも数段良くかけたと思っている。もちろんこれは作曲の技術(単にテクニックということではなく、精神性も含めて)に関した事で、作品としては「ギンガマン」は今でも大好きな作品であることに変わりはない。ただ、「カーレンジャー」「ギンガマン」の2作品の反省があっての「キョーリュージャー」、その間は15年の歳月が流れているのであり、当然仕事の段取り力も変わっている。レコーディングの仕方も、当時は大編成を同時録音していたが、今回はパートごとに録音している。もちろん一長一短あるのでどちらが良いとは言えないが、今回の作品では当たりだった。作品が受け入れられる、受け入れられないは、その時々の色々な偶然が関係することなので、これにかんしては視聴者次第である。ただ、53歳の作曲家が35〜38歳の作曲家の自分を見たら、それは隙だらけなのだ。無駄に力が入っているし、トータルな作品世界がコントロールしきれていない。そういった意味では武道に近いのかもしれない。劇伴の作曲というのは完全に職人の世界と一致するし、それを誇りに日々精進しているわけだから、そういった意味で音楽的には3作やったなかでは今回がBestである。ただマニアックなジャンルでもあるので、洗練=好 といった公式は必ずしも成り立たないと思うが、良い結果が出てほしいと心から祈っている。
次回は、今作曲中の「薄桜鬼_沖田篇」、ついに続編が実現してしまった。思えば叶うというのは本当だ。
その録音作業などについて書こうと思っている。キャストやリハーサルについては公式Hpでお願いします。